レザーマン『SKELETOOL CX』と限定10本『SKELETOOLダマスカス』比較
限定版SKELETOOLダマスカスの外見はブレード(刃)を除くとSKELETOOL CXに非常に良く似ている。あまりにも酷似しているためどのような違いがあるのか分かりやすく比較していく。
デザインの違いは3つ
ハンドル素材の違い
ブレードに次いで違いが分かりやすいのがカーボン素材の有無である。上の画像のハンドル左側を比較してほしい。右上のCXにだけカーボン素材が使用されている。ハンドルにカーボン素材が使用されているのはSKELETOOLの中でもCXと限定版WHITEだけで、それが一つの売りでもある。もしダマスカスブレードとカーボンハンドルを組み合わせたら、素材としては最高の組み合わせとなるだろう。
マーキングの違い
レザーマンジャパン製品は25年保証の印として「LTJマーク」が刻まれる。画像右側のCXはドライバー付近にマーキングされているが、残念なことにダマスカスverにマーキングは無い。25年保証対象外なのかと思われそうだが、外箱に25年品質保証のシールが張られており、日本語で記載されたレザーマンジャパンの保証書が同封されているため保証対象となる。ただマーキングがあった方がカッコよいため少し残念なところである。
刻印文字の違い
当然ながら商品名が違うため刻印にも違いがある。ダマスカスverはスペースの関係か通常版SKELETOOLと同じ刻印となっている。
154CM鋼とダマスカス鋼の性能比較
直刀ナイフの鋼材はCXが「154CM鋼」、ダマスカスverは「ダマスカス鋼」を使用している。現代のダマスカス鋼は古代インドのウーツ鋼を鍛造した時に現れる縞模様と似た表面をもつ鋼材の総称であり、メーカーや製品によって原材料が違うため性能も異なる。今回ダマスカスブレードを製造したダマスティール社内でも6種類のダマスカス鋼があるが、メーカー名以外の情報はレザーマンジャパンも不明という事であるため、鋼材比較にはダマスティール社でナイフに多く使われるDAMASTEEL「DS93X」を参考に見ていきたい。
ダマスティール社製「DS93X鋼」は154CM鋼と類似性能を持つ「RWL34鋼」と硬度を抑えた「PCM27鋼」の複合鋼材である。共に粉末鋼のため不純物が無く類似組成の154CM鋼に比べ強靭で耐摩耗性に優れながら研磨しやすい鋼材となる。そのため鋼材比較ではDAMASTEEL「DS93X」=ダマスカス鋼に軍配が上がる。以下は鋼材の組成表。
C | Si | Mn | Cr | Mo | V | |
154CM鋼 | 1.05% | 0.30% | 0.50% | 14.0% | 4.00% | – |
RWL34鋼 | 1.05% | 0.50% | 0.50% | 14.0% | 4.00% | 0.20% |
PMC27鋼 | 0.60% | 0.50% | 0.50% | 13.0% | – | – |
実用よりも好みで選択
CXはハンドルにカーボンを使用しているためダマスカスverに比べ重量が3g軽くなっているが実用でその違いを感じる事は全くない。またCXとダマスカスverは共にSKELETOOLを原型としているため機能数も全く同じである。デザインや使用素材の好み、限定数など自身が求める条件に合ったものを購入するのが一番である。
重量
- SKELETOOL CX:144g
- SKELETOOL ダマスカス:147g
機能数
- ニードルノーズプライヤー
- レギュラープライヤー
- ワイヤーカッター
- ハードワイヤーカッター
- 直刃ナイフ
- ラージビットドライバー
- カラビナ (栓抜き兼用)