時計を狂わす「磁気」にも負けないGショックとは
あらゆる衝撃に対し最強の堅牢性を誇るGショックだが、時計の天敵「磁気」にまで対策が施されていることを知っているだろうか。Gショックは3タイプのクォーツ時計に分類することができ、中には磁気の影響から逃れられない種類も存在する。しかし絶対精度を謳うGショックがタイプにより性能差が生じる事を見逃すはずがない。今回はどのタイプの時計が影響を受けやすいのか、そして磁気に対抗するGショックの先進技術とはどのようなものなのかを紹介していこう。
タイプ別に見る磁気の影響
1.デジタルクォーツ時計
デジタル時計とは時刻が液晶に表記される時計の事で、磁気を受けても影響を受ける部品が無いため変化は発生しない。
※FROGMANのようなダイバーズウォッチの場合、サルベージ作業において船体に体をマグネット固定するなど高磁力環境下での使用が求められるため、第1種耐磁時計以上の高い耐磁性能が要求される。
2.アナログクォーツ時計
アナログ時計とは時刻が文字盤と針によって機械的に表示される時計の事で、磁気の影響により表示時間が狂う事がある。
【例】
・針が進む、遅れる
・針の動きが止まる
3.コンビネーション時計
コンビネーション時計とはアナログとデジタルの表示機能を併せ持つ時計の事で、磁気によりアナログ表示は前述同様の影響を受ける事があるが、デジタル表示は影響を受けない。
アナログクォーツ時計が磁気の影響を受ける理由
アナログクォーツ時計の針動作は、「クォーツ発振器」がリズムを作り、「ステップモーター」がリズムに合わせてローターを回転させ針を動かしている。
クオーツ発振器は磁気の影響を受けず安定したリズムを発振するが、ステップモーターは永久磁石が組み込まれたローターを磁力で回転させるため、外部からより強い磁力が働くとローターはその力に引き寄せられ、回転を速めたり、回転を止めることになる。そうした働きが歯車を介し針動作となり、時間の進みや遅れ、止まるなどの影響が生じることになる。
磁気の影響を補正・遮断する先進機能
磁気の影響を補正する機能
アナログクォーツ時計は磁力源から離れると影響が無くなり通常動作へと戻るが、一度ずれた針位置が勝手に戻ることは無いため、それを毎時検知・修正する「針位置自動補正機能」がGショックには存在する。
この機能に関しては「針位置自動補正機能とは」で詳細を解説。
磁気の影響を遮断する特別なGショック
Gショックの中には時計内部に耐磁板を持ち、日常使用に求められる「JIS1種耐磁性能」を実現したモデルがある。これらは直流磁界4,800A/mに対する耐磁性能を持ち(磁界を発生する機器に時計を5cmまで近づけてもほとんどの場合性能を維持できる水準)、Gショックを衝撃だけでなく磁気の影響からも堅牢にガードする事が可能となる。
【耐磁時計モデル】
・GPW-2000シリーズ
・GA-400シリーズ
・GA-110シリーズ
・その他