真偽の不明なペリカンケースと回避手段
過去にオークションサイトで購入したペリカンケース1300が、これまで正規ルートで購入してきたものと異なる点がいくつかある不思議な商品であった。参考としてそれら相違点を紹介するとともに、疑わしきものに関わらない術を紹介していく。
購入情報
商品は新品・正規品と説明のあるもので、ペリカンケースを専門に数種類出品しているところから購入。評価数は2ケタ前半で全てペリカンケースで良い評価が付いていた。商品画像は実物ではなくショップ同様イメージ画像が使用されており、価格は競売方式で国内相場の約5~6割で落札。
相違点や比較
外箱が無い
商品には外箱が無く、緩衝材で包みビニール袋に入れられて届いた。通常であれば以下のようなパッケージの箱に入っている。
一応確認をとってみると、「外箱は傷んでいたため倉庫担当者が処分し現在はもうありません。」という返答であった。当初は箱に「入っていた」ということのようだが、それに関する商品説明や事前連絡は無かった。
表面質感が異なる
触れてすぐに感じたのが肌触りが違うことだ。以下の画像は蓋の表面を同じ倍率で拡大したものになる。
こちらは正規ルートで購入したもの。所持分は全て同じ表面処理でサラサラとした肌触りだ。
次の画像が今回のケースになる。
つるつるしており石鹸やロウのような肌触りで、爪でカリカリすると痕がつきやすかった。画像を見ると別物にしか見えない。
表面に斑がある
正規ルートで購入したものもバリが残っていたりと細かい仕上げがあるわけではないが、それらには無い気泡のような斑が何か所もあった。
ラベルには相違点無し
蓋についているラベルをルーペを使い見比べたが、ペリカンのカラー印刷や右上のアメリカ国旗のドット印刷に至るまで全く同じものであった。またラベル素材や表面加工も相違点は無い。
剛性も変わりない
蓋の部分を強く押すと凹むという話があるが、これに関してはそういったチープさはない。どんなに強く押しても他ケース同様ほぼ凹むことはなく、ペリカンケース特有の蓋の留め具も動作に問題なく頑丈だ。
重量比較は困難
正式なペリカン1300のフォーム無し重量は1400gだが、1000g以上のものを10g以下の細かい単位で計測する機器が無いため残念ながら正確な比較はできない。100g単位での計測器では1.3kgと表示されるが、1300g≦商品<1400gという幅があるため、重量は概ね同じという判断になる。
疑わしき物に関わらない術
ペリカンケースは何度かマイナーチェンジを繰り返しているため、今回の商品がフェイク(偽物)であるという断定はできない。しかし本来の仕様と異なる状態で届いた事や外観の相違点に不安を感じる理由は、商品が本当に正規ルートからの仕入れであるのかが分からないからである。大切なものを収納するケースが耐久基準を満たさないフェイクだったらという不安や実際に損害を被らないためには、価格に惑わされず疑わしきものを選択しないという基本が守られるかにある。今回はそういった考えを改めて確認できた良い機会となった。
大手家電量販店でも取り扱い
大手家電量販店ではカメラを収納するケースとしてペリカンケースを販売している。外箱にはペリカン社のバーコードシールの他に輸入代理店のハクバ写真産業株式会社の管理シールも貼られており、商品の流れが明確で安心して使用することが出来る。ハクバ写真産業のオンラインストアからも購入が可能だ。ショッピングモールにも一部家電量販店が出店しているため、圧倒的な安さより信頼のおけるショップで購入することをお勧めする。