レザーマンSKELETOOLを覚悟の分解!
前回SKELETOOL CXとDAMASCUSの比較を行った際、CXのカーボンハンドルとダマスカスブレードを組み合わせると最高のスペックになると紹介したが、今回どうしてもそれを実現したくなったので紹介したいと思う。
保証対象外という問題
レザーマンジャパンは各種製品の部品を多数ストックし25年保証にいつでも対応できるよう備えているが、分解や改造されたものは保証の対象外となる。もし25年の間にDAMASCUSに何かあっても保証を受けられなくなるわけだが、そもそも限定品の特製パーツもストックしているのか?という疑問が頭をよぎった。公式サイトの「25年保証について」では限定企画製品は現行モデルの同等品と交換対応とある。今回の場合現行モデルが何を指すのかレザーマンジャパンへ尋ねてみた。
今回のDAMASCUS SKELETOOLの場合は新品SKELETOOL CXとの交換となります。また、その場合はUSAとの規約により修理依頼品と新品は引き換えになります。
ということは修理対応になっても残念ながらダマスカスとはお別れになるわけだ。であれば自身の責任のもと大切に管理していく事に変わりはないため保証をあきらめ自己責任で組み換えを行うことを決断した。
準備・分解・クリーニング・組み立て
必要品の準備
左から順に
- ピンセット
- ドライバー サイズT8
- SKELETOOL CX
- SKELETOOL DAMASCUS
- オイル VICTORINOX Multi-Tool Oil
- タフクロス TUF CLOTH
ピンセットは通常必要ないだろうがメンテナンスの際に銅ワッシャーに触れずに作業したいため使用している。
SKELETOOL CXの分解
まずはCXのブレード取り外し作業を行う。
ネジはトルクスネジのT8番。ねじ止め剤がついているが簡単に取り外せる。ネジを外すと残りのパーツは筒ネジに収まっているので順番に外していく。
これでCXのブレード取り外し作業は完了。
SKELETOOL DAMASCUSの分解
続いてダマスカスブレードの取り外し作業を行う。
ネジは同じくトルクスネジT8番だが、よく見ると先ほどと違いネジパーツが一体となっている。
ネジを回すと反対側の筒ネジも回転するため、押さえのドライバーをもう一本追加。しかし、ここからが苦行の始まりだ。
ドライバーにいくら力を込めてもビクともしないのだ。力づくで何度も何度も繰り返しても一切動かない。何だか怪しい雰囲気になった時「25年保証対象外」を思い出した。このままだと破損するか怪我をするパターンなので一旦冷静に。レザーマン製品にはプライヤーをオープンしなければネジを外せないCHARGE AL系がある事を思い出し同じ方法を試すが反応なし。仕方がないため工具を大物に変え本体をがっちり固定し手袋を装着。あれこれと10分程かけてついにネジがゆっくり回り始めた。(マットは細かいゴミだらけに)
しかし回ったのは先ほどのCXと反対側。ネジと筒ネジの位置が反対だったのだ。しかもこれでもかというくらいねじ止め剤が付着していた。
ネジ位置が反対ということは、筒ネジを抜き取らなければブレードは外せない事になる。ここまで来て後には引けないため筒ネジをグイグイ引き抜く。後で説明するが筒ネジを抜き取ってしまうとこの状態では再挿入ができなくなるため更に手間が増えるのだ。
これがやっと取り外したダマスカスブレードだ。やはり非常に美しい。
これで全てのパーツの分解が完了。組み立て順番を間違えないようパーツを並べこの後にブレードだけを交換した。
クリーニングメンテナンス
ブレードは作業で手油や汚れが付着しているためキレイに取り除き、タフクロスで表面コーティングを行う。タフクロスは長期間、錆、摩擦、摩耗から金属を守り撥水性を付与するSentry Solutions社が開発したナイフ業界の有名商品だ。
ワッシャーには古いオイルと汚れが付いているため、こちらもキレイにしてから新しいオイルを塗布。最後にツール内に溜まった埃等を取り除く。
組み立て作業
SKELETOOL CXハンドルにダマスカスブレードを取り付ける作業は先程と逆の工程で完成する。DAMASCUSハンドルに154CM鋼を取り付ける作業は以下の手順となる。
- ハンドルの中に銅ワッシャーを入れる
- 154CMブレードを入れる
- 画像のようにブレード側ハンドルを開きネジ穴を合わせる
- 筒ネジをはめ込む
- ホワイトワッシャーをはめ込む
- ネジを閉める
筒ネジはハンドルを開かなければプライヤーが干渉し通す事が出来ない。しかしハンドルを開いてしまうとブレードを入れる事ができないため上記手順となる。
マルチツールは小さなハンドルに多くの機能を収納しているためブレード収納部分に余裕が少ない。そのためブレード位置が少しでもずれていると開閉の度にハンドルに擦れて傷がついてしまう。開閉のしやすさとブレード位置を見ながらネジ調整を行う。
以上で完成。
次回は世界初公開!カスタマイズ『ダマスカスSKELETOOL CX』の紹介だ!